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『女が造った女のビール』

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Tasty Lady「テイスティー・レディー」By Women!
――女が造った女のビール――

「ビール大好き!6年間ここで働きながら、いつか自分のビールを造るのが夢だったの」。嬉しそうに語るのは、アムステルダム随一のビール専門店、ビア・コーニング(De Bierkoning)に勤める32才のアリス(Alice van der Kuijl)。彼女は同じ夢を持つ女性4人(30代から最年長は70才まで!)と組んでビール醸造に取りくみ、ついに自分たちのビールを造り上げた。その名も「Tasty Lady」(魅惑的な女)。

ヨーロッパといえばすぐにワインを連想する人が多いが、ヨーロッパのビールの歴史はワインに劣らず古く、実に多彩だ。もともと水が悪かったヨーロッパ、飲料水代わりにビールやワインの醸造が盛んになったということだが、ブドウ栽培が土壌や気候に大きく左右されるワインと違って、ビールは原料、そして醸造所と確かな技術さえあればいい。それがヨーロッパの様々な土地でビールが造られてきた理由だろう。

アリスの勤める「ビア・コーニング」で扱うビールは1200種類以上、ビールが好きなオランダ人でこの店を知らない人はいない。アムステルダムを訪れるビール好きの観光客たちの間でも評判の店だ。

オランダには世界的に有名な大手ビール・メーカーがあるが、実はスモール・ブルワリーといわれる小さな醸造所がいくつもあって、ビール通にはこういった個性豊かなビールの方が好まれている。さらにエールと呼ばれる種類のビールでは、麦芽、ホップなどの主原料に加え、果物やハーブなどが微妙なバランスで調合され、複雑な香り、神秘的な味を生み出す。

隣国ベルギーではさらにその種類は多く、トラピスト・ビール(修道院で造られるビール)などはビール・マニアの間でも評判が高い。日本のビールと比べるとアルコール度数も高く、10%を超えるものもざら。中にはウイスキーのように40%というものまである!(日本のビールのアルコール度数は一般的に4~5%前後)ビールだからといってグビグビ飲むとたいへんなことになる。ビンに貼られたラベルもワインに負けず劣らず美しく、人目を引くものが多い。注ぐグラスもビールの銘柄によって異なる。オシャレなグラスに注ぎながらビールと泡の色バランスを眺め、その香りを楽しみ、そして口の中でゆっくり転がしながら味わう。「一気飲み」などとんでもない。

こんなヨーロッパのビール環境にあっても、女性の手だけで作られたビールというのはこれまでに例がなかったという。(革新的なオランダでさえも!)「ビール醸造は男の仕事、女にテイストはわからない」と長い間思われてきたからだ。テイスティー・レディー(Tasty Lady)は8月末の発売を前に、すでに様々な注目を集めている。「彼女たちによって、女だってビールのテイストがわかると実証された。女性の味覚が劣っているという偏見は捨て去られるだろう」と。

フルーティーな柑橘系の香り、アルコール度数6.2%・・・「Tasty Lady は女性のためのビール?」と聞くと「いえいえ、ビール好きの全ての人のため。もちろん男性にも!」とアリス。そういえばこのラベル、どこか挑戦的。デザインはアリスが担当、彼女の眼がモデルらしい。魅惑的な眼が「ちょっと私を試してみて・・・」といっているようにも見えてくる。

日本のように「とりあえずビール」なんていっていたら怒られるに違いない。

Tasty Lady: www.tastylady.nl

De Bierkoning: http://bierkoning.nl/

 
  • 小橋敦子 (ジャズピアニスト、翻訳家)
  • www.atzkokohashi.com
  • 2005年よりオランダ、アムステルダム在住

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