『アムステルダム発「大人のオモチャ屋さん、DASKAS」』
「大人のオモチャ屋さん」と聞いてアムステルダムでよく目にするエロティックなオモチャを想像してもらっては困るが、ここDASKAS(ダスカス)には私たち大人の心を惹きつける愉快で楽しいグッズがいっぱい。キーホルダーのような小物から実用的な傘やワインラックまで、新しモノ好きで、遊び心いっぱいのオランダならではのセンスが光る。
アムステルダム中央駅すぐ近く、このハーレマー通りに店を構えて21年というのは、いつも夫婦一緒に店に立つご主人のRob(ロブ)と奥さんのEliane(エリアナ)。「始めた頃はまだこの近所にお店はほとんどなかった」ということだが、今ではオリーブオイル&ビネガー専門店、イタリア、スペイン、フランスからの食材店などのグルメショップ、スタイリッシュなブティック、そして若者たちで賑わうカフェやレストランなどが立ち並び、アムステルダムで最もヒップな場所のひとつだ。DASKASのお客さんは男女を問わず、年齢は20才から85才くらいというから面白い。
友だちへのギフトをさがす人、日々の生活にちょっとした笑いを求める人、シンプルでモダンなデザインに惹かれる人、小さな子供がオモチャ屋さんの窓から中を覗き込むように、ウインドー越しにじっと店の外から中をのぞいては思わず店に足を止める人たちも。商品にはオランダ産はもとより、ドイツ、フランス、イタリアなど近隣ヨーロッパ諸国からはもちろん、日本製までが並ぶ。
聞くところによれば、実はご主人ロブはかつてガラス職人だったとか。ガラスボード、ガラスの花瓶、置物などを自分のアトリエで製作し、それを妻であるエリアナが販売していた。そうして始まったのがこの店だ。当初ガラス製品だけを扱っていたのが、次第にお客のニーズに合わせたものも扱うようになっていったそうだが、単なる遊び心を超えたDASKASのセンスの良さは、ガラスアートに携わっていた二人のこんなところに由来しているのかも。
さて、この店内には「え?これなあに?」とひと目見ただけではわからないようなものがいっぱい。ふざけたデザインに笑い出すものもあれば、しばらく考えてからそのアイデアに驚かされることも。Key Shirts(キーシャツ)とよばれるカラフルなTシャツのゴム製カバーは、鍵穴にキーを差し込んで回す時に手を痛めないように考案されたものだが、かわいいだけでなく意外に実用的。キッチンで使うブラシの先にセクシーな女性の人形がついていたり、冷蔵庫の製氷皿にタイタニックが沈んでいたり、毎日の単調な生活が笑いで明るくなる。
「なんといってもベストセラーはこれ!」というのが、オランダのデルフト工科大学でデザインされたという傘(*写真参照)。風向きによって傘の向く位置も変わる。北海からの強風にも耐えられるように設計されたというこの傘、「これで骨が折れる心配はない」と雨の多いオランダでは大人気だ。
「商品を仕入れる際、この3つがポイント」と二人声をそろえて言うのが、1、デザインの面白さ 2、実用性 3、リーズナブルな値段 だそう。なるほど、財布の小銭で十分楽しめて、一日楽しい気分、しかも役に立つ。これぞほんとに大人のオモチャ!とストレス解消に持って来いだ。
「ガラスアートへの興味は失せていないけど、今はこの仕事が大好き。お客さんとの会話も楽しいし、皆の反応を見るのが面白い」と、店内でいつも笑顔を絶やさないご主人Rob。そして、彼が絶大な信頼を寄せ、当初から商品買い付け担当のElianeエリアナ。「新しいものを見つけるのが大好き!」とフランクフルトやパリの国際オモチャ見本市まで新商品を求め出かける彼女もまた、私たちと同じメリーエイジ世代だ。
DASKAS: Haarlemmerstraat 27 1013 EJ Amsterdam, The Netherlands +31 (0)20 625 95 94
Website: http://www.daskas.nl/
- 小橋敦子 (ジャズピアニスト、翻訳家)
- www.atzkokohashi.com
- 2005年よりオランダ、アムステルダム在住







