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『母の身終い』

メリーエイジ世代の皆様、人生の終わり方について考えたり、不安になったりすることが、時々ありませんか?

『母の身終い』は、そんな思いや不安を抱く私たちに、ひとつの終焉のケースを紹介し、人生のあり方や、最期への心がまえ、そしてなにより愛を、あらためて問う荘厳な人間ドラマであり、お互い素直になれない母と息子の親子愛の物語でもあります。

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 『母の身終い』

11月下旬よりシネスイッチ銀座他全国順次ロードショー

配給  ドマ/ミモザフィルムズ

監督・脚本:ステファヌ・プリゼ 
出演:ヴァンサン・ランドン、エレーヌ・ヴァンサン、エマニュエル・セニエ 他
2012年/フランス/カラー/108分/ビスタ/ドルビーデジタル
原題: Quelques Heures De Printemps 

© TS Productions - Arte France Cinema - F comme Films - 2012
公式サイト www.hahanomijimai.com

輝きに満ちた幸せな瞬間も、どうにもならない悲しみに打ち震えた時も、あまりの理不尽さに爆発させた怒りも、そして後悔の念も...。
 人は、様々な出来事や、それによって生じる感情の激しい起伏をなんとか受け入れて、長い人生をひたすら歩んでいく。そして、やがて最期の時を迎えることになるのだが、そこで気にかかるのは<人生の終わり方>かもしれない。もちろん、誰しも、できることなら心穏やかに、心残りなく、愛する人々の温もりを感じながら、終焉を迎えたいと思う。しかし、高齢化社会や核家族化に長じて起こる介護問題や終末医療の是非などが取りざたされる現代にあって、それはいくら望んでいても、自分自身でコントロールできるのだろうか? 思い描いた通りに実現できることなのだろうか?

 主人公は、48歳の息子アランとその母イヴェット。年老いた母親は、脳腫瘍に冒され死期も間近い。しかし、ケチな犯罪に手を染めて服役していた息子が、出所して母の家に身を寄せた。
すでに母と子の間には長年にわたって根深い確執があり、ふたつの心は簡単には解け合わない。いつ、どこで、どうして親子の歯車が噛み合わなくなったのか? さしたる会話もないふたり。
たまに言葉を交わせば、言い争いになるばかりだった。そんなある日、息子は、母の薬が入った引き出しの中の書類を手に取って愕然となる。そこには、"尊厳死の表明""スイスの施設で尊厳死""人生の終え方を選択する"といった文章が書かれ、母のサインがあったからだ......。

 監督は、セザール賞3部門にノミネートされた『愛されるために、ここにいる』(05 年)で注目を集めたステファヌ・ブリゼ。自らが書いた脚本についても、「母が望む幇助自殺はこの映画の主題ではありません。重要なのは、あくまで母と息子が手遅れになる前にお互いの関係を修復し、人生において必要な言葉を交わすことができるかということ。それを主眼においた物語です」という言葉通り、カメラは母の重い病状を強調することもなく、ましてやその決意に賛否を伺わせることもなく、細やかに親子の日常をひたすら映し出していく。その淡々とした演出は、かえって監督の<生きること、死ぬこと、愛すること>への真摯な思いが込められ、母と息子の絆を浮き彫りにし、静かな感動へと誘う。その作風に、小津安二郎、ロベール=ブレッソン、アキ・カウリスマキといった先達たちの味わいを感じさせ、フランス映画界の気鋭と称されるのも、納得だ。

 息子アランを演じるのは、『女と男の危機』(92 年)でセザール賞主演男優賞を獲得して以来、肉体派でありながら繊細な感情表現に長けた演技派として評価の高いヴァンサン・ランドン。
本作でも、うまくいかない人生にいらだち母に八つ当たりしながらも、再出発を模索する中年男の哀愁と心の奥に秘めた母への思いを、寡黙に体現している。そして、母イヴェットを演じるのは、舞台女優兼舞台監督としてのキャリアも長く、映画では『人生は長く静かな河』(89 年)、『トリコロール 青の愛』(94 年)、『ぼくのバラ色の人生』(98 年)などで確かな演技を披露してきたエレーヌ・ヴァンサン。監督によれば「オーディションに現れた素顔の彼女は、陽気で美しすぎた」とのことだが、ひとたび役作りをすると、神経質で小うるさい年老いた母そのものになりきって、監督もびっくり。「イヴェットの中にある目に見えないものを表現できる能力は、エレーヌが優れた悲劇役者であることの証です。
母親の中に深く痛々しく押し殺されていた、凍りついた優しさの輪郭までも引き出してくれました」と、賞賛を惜しまない。なるほど、テーブルにちらばったパン屑を素手でかき寄せる仕草ひとつにも長年にわたる息子へのいらだちやあきらめがにじみ、何くれとなく頼りにしてきた隣人との別れ時に漂わせるほのかな女の匂いも、とにかく巧い!

 ちなみに、たとえばリビングとキッチンに別々に座って、たとえば同じ食卓を囲んでと、ポジションは違っても、母と息子が食事をする場面が何度も登場するのだが、そこに漂う静かな緊張感がふたりの心の変化を的確に物語っているのも秀逸。ヴァンサン・ランドン&エレーヌ・ヴァンサンのアンサンブル演技の妙を、たっぷり堪能できる。

 

また、アランがボーリング場で出会う女性クレメンスをロマン・ポランスキー監督夫人としても知られる女優エマニュエル・セニエが演じているのも注目だ。一夜の関係で終わるはずだった魅力的な彼女との出会いは、アランにとってはこれからの人生に瞬いた小さな希望の光のようなもの。そんな女性をエマニュエルは、持ち前のセクシーさと力強さで好演し、華を添えている。

 

また、オーストラリア出身のシンガーソングライターで作家、脚本家、画家、俳優とマルチな才能の持ち主であるニック・ケイブが音楽を担当。母と息子が共に過ごす最後の時間を静かに、情緒豊かに紡いでいる。

 

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